なんでもマルチメディア(399):シルクロードの旅(6)

6月2日(木)
 終日、町の南東方向25kmの場所にある莫高窟の見学。莫高窟は6世紀から13世紀にかけて作られた、塑像と絵画の宝庫である。鳴沙山の麓の崖にある莫高窟と駐車場の間は、広々とした公園になっていて、土産物屋や展示館などがある。大きな門をくぐり、幅が広い河にかかった橋を渡ると、森の中に莫高窟が現れた。莫高窟の第一印象は、よく手入れされた並木道に沿って連なる、パリのアパート群に似ているということだった。
 20世紀の初めに大谷探検隊が撮影した写真では、多階層に並んだ石窟の中にある塑像や壁画が外から見えるが、今は、一つ一つの石窟に扉があり、その外側に長いテラス状の通路ができている。午前9カ所、午後4カ所、代表的な石窟内部をゆっくり見た。窟には、一般入場料に含まれているものと、別料金の特別窟がある。
 カラー写真やビデオで見た窟の内部は、撮影用の明るい照明を使っているが、実物はほとんど照明がないので、かえって印象が強い。とくに、仏像の塑像は神々しいまでに美しい。3体の巨大な仏像には圧倒された。千仏洞というだけに、壁画には千仏を描いたものが多いが、仏典の物語や時代絵巻も多い。多数の研究者が惹き付けられている理由がよく分かる。市内の敦煌博物館には、目玉になるような展示物がほとんどなかった。
都丸敬介(2005.06.16)

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