なんでもマルチメディア(647):次世代ネットワークの胎動

 

インターネットとブロードバンド回線の普及によって、通信と放送の融合が本格的に始まりました。この結果、情報流通基盤である通信ネットワークのトラフィック量が爆発的に増えて、いろいろなトラブルが発生しています。

 


 現在は、通信ネットワークの基本が、古典的な回線交換方式からパケット交換方式の一種であるIPネットワークに移行する過渡期にあります。高速IPネットワークは汎用的な情報流通に適した優れたシステムですが、もともとコンピューターが扱うデータの流通を対象とした技術であり、テレビジョンのような連続的なデータを効率よく配信するためには改善しなければならない課題があります。

 


 放送の特徴は、1つの送信元で発生した情報を世界中に同時に配信することです。インターネットでも1つのウェブサイトに多数のユーザーが同時にアクセスすることがあります。このために、世界規模のコンテンツ配信網(CDN)が実現していますが、既存のCDNは放送の配信には適していません。

 


 既存のCDNでは、多数の配信用サーバーに元のウェブサイトの情報のコピーを用意して、ユーザーを最寄りの配信用サーバーにつなぎますが、この方法は常に内容が変化する放送には使えません。

 


 最近の海外の論文から、この分野での研究の成果が実用の段階に近づいた様子が見えます。その1つが、ネットワークで運ぶ情報の種類に基づいて、トラフィック制御を行う技術の適用です。この分野で日本が世界のリーダーになることを期待します。

 


都丸敬介(2012215)


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