なんでもマルチメディア(609):クラウド・コンピューティング

昨年(2008年)から新聞やコンピューター関係の雑誌などで取り上げられることが

多くなった「クラウド・コンピューティング」の具体的な利用例が見え始めてきまし

た。

 これは米グーグルのシュミットCEOが提唱した、インターネットを介してコン

ピューターのアプリケーション機能や機器を利用するサービスで、いわゆるネット

ワーク・コンピューティングと同じ概念といえます。ネットワークを図形表現すると

きに雲の形で描くことからこの言葉が生まれたとされています。

 いくつかの有力企業が推進しているクラウド・コンピューティング・サービスは、

いずれもデータ処理機能提供サービスです。サービス提供事業者のコンピューター

(サーバー)の中にあるアプリケーション・プログラムをユーザー端末から遠隔利用

することで、ユーザー端末にはアプリケーション・プログラムを実装する必要がなく

なります。これはSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)と同じことです。

 初期の段階で提供されるサービスは、文書作成や表計算、プレゼンテーションと

いった、パソコンのオフィス・ソフトで実現されている機能です。これらの機能を実

現するソフトウエアは機能追加や修正が頻繁に行われているので、ユーザー端末から

削除できることは、企業の情報システム担当者の負担を大幅に減らす効果がありま

す。

 しかし、個人のパソコンユーザーが利用しているアプリケーション・プログラムは

種類が多いので、クラウド・コンピューティングを個人ユーザーに浸透させるために

は多くの課題があります。この分野の知恵比べが活発になってきました。

都丸敬介(2009.8.30)

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