新そばの時期になりました。そばというと信州そばが有名ですが、福島県の会津地
方もそばの名産地です。先週、知人に案内されて、会津山都そばを味わってきまし
た。山都はラーメンで有名なJR磐越西線喜多方の隣の駅です。駅の近くに「飯豊とそ
ばの里センター」があり、そば粉をはじめとするそば打ちに必要な器具を売っている
だけでなく、そば打ちの体験ができます。直径40cmほどの石臼に17万円の定価がつて
いるのには驚きました。
今回は山都のそば屋でそば会席をご馳走になりましたが、山都から車で30分ほどの
飯豊山の麓にある宮古には珍しい水そばがあります。宮古は山間の小さな部落で、十
数軒の農家が座敷でそばを提供しています。水そばは椀に入れた水にそばをつけて食
べます。この水は地元の名水です。そば以外の味が一切ないので、そば本来の味と食
感が直接伝わってきます。
以前、宮古で水そばを賞味したときには感激しました。そば屋のおばあさんが、辛
みをつけるとまた違った味になるからと言って、裏の畑から辛み大根をとってきて、
すり下ろしてくれました。このときの味も忘れられません。
地図で見ると山都や宮古はかなり遠い場所に見えますが、東京から日帰りできま
す。新幹線に乗って、一杯のそばを食べに行くことは最高の贅沢かもしれませんが、
そこでしか味わえないという価値があります。
これから会津地方ではあちこちで大規模の新そば祭りが始まります。静かな水そば
と賑やかな新そば祭り。どちらも楽しめます。
都丸敬介(2008.10.19)
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