なんでもマルチメディア(432):ボットネット

最近、スパイウェアによって他人の銀行口座から勝手に送金する、インターネット犯罪が相次いで発生しています。そして、その被害や手口が新聞やテレビで報道されています。
 次々に現れるインターネット犯罪の中で、注目されている一つにボットネットがあります。ボットネットの語源はロボット・ネットワークとされています。ボットあるいはゾンビ・マシンと呼ぶ、不正動作を行う有害プログラムに感染したコンピューター群を、遠隔制御ロボットのように、外部からの指令で一斉に動作させることがボットネットの特徴です。制御指令を短時間に分配するのに、インターネット・リレー・チャット(IRC)を使うことが多いと報告されています。
 ボットネットの不正使用例として、ボットをスパムメール(迷惑メール)の送信元とする分散サービス妨害(DDoS)攻撃や、感染したコンピューターの内部情報の収集が指摘されています。そして、ボットネットの規模は、ボットの数が数万台あるいは数十万台に達するという報告があります。ボットネットの被害を防ぐために、1万台以上のボットに指令を分配していたサーバーの運用を停止したという報告もあります。こうした報告から連想することは、同時多発サイバーテロリズムです。こわいですね。
 コンピューターがウィルスやワームに感染すると、多くの場合は動作がおかしくなることで、コンピューターの所有者が被害を受けたことに気がつきますが、ボットの場合は気づかすにインターネット犯罪に加担することになりかねません。米国の文献に、このような有害ソフトウェアは、無償でダウンロードできるソフトウェアに組み込まれていることが多いので、僅かな費用を惜しんで無償ソフトウェアを使うことを避けるべきであるという警告がありました。
都丸敬介(2005.11.13)

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