近づいてきた敬老の日にちなんで、ある新聞のコラムに「だれしも年は取りたくないと思っている」という書き出しに一文がありました。私も70才を過ぎた老人の一人ですが、年は取りたくないと思ったことがありませんので、この断定的な一言には疑問を感じました。もちろん体力や持久力、あるいは集中力の低下を実感していますが、これらは当然のこととして受け入れています。
50台後半には、60才になるのを待ち遠しく思っていました。早く定年になり、自分の意志だけで時間を使えるようになることに憧れていたのです。結局60代後半までサラリーマン生活をしましたが、自由の身になるのが遅すぎたとは感じていません。この間に夢が大きくなっていたのです。
海外旅行で知り合った人たちの中には、70代後半から80代でかくしゃくとしている人が少なくありません。これらの人たちに共通していることは好奇心が強いことです。なんでも見てみよう、なんでも体験してみようという気持ちが持続する限り、年齢のことは気にならないのかもしれません。
2007年に団塊世代が一斉に定年年齢に達するということで、いろいろな話題が生まれています。終戦で再出発した私たちの国が今年は還暦を迎えました。近年の惰性で年老いた国になるのではなく、これからの日本がどのような国に若返るのか楽しみです。
都丸敬介(2005.09.11)
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