去る11月27日、西インドのムンバイで同時多発テロ事件が発生した日の夜、成田か
らの直行便で旅先のムンバイ国際空港に着きました。家を出る前にテレビのニュース
放送でテロ事件が起きたことを知っていましたが、途中で立ち寄ったデリー空港では
何事もなく、ムンバイ空港も兵士や警官の姿を見かけませんでした。
旅行の目的は西インド地方に点在する遺跡を見ることで、翌朝の早い時間にムンバ
イを離れました。その後の旅行のスケジュールはまったくテロ事件の影響を受けませ
んでしたが、テレビではすべての放送局が事件現場からの実況中継を続けていまし
た。事件発生の翌日には、犯人が立てこもった3カ所に事件現場が絞り込まれて、大
勢の市民が成り行きを見つめている様子が報じられました。
最初はテロリストの数は20人から25人と報じられましたが、実際の犯人は10
人で、9人が射殺され、1人が逮捕されて事件は一段落しました。全員がパキスタン
の訓練施設で訓練を受け、襲撃計画を立てて船で出発し、ムンバイの沖で上陸用の船
に乗り換えたということです。釣り船を乗っ取って、船長と3人の釣り客を殺して上
陸したグループもあったようです。
私は12月2日の夜にムンバイ国際空港から成田に戻りました。この日は事件現場
の周囲の道路が封鎖されているほかはなにも変わったことがありませんでしたが、事
件の後遺症は大きいようです。写真はテロリストが立てこもったタージマハル・ホテ
ルです。かなり長い時間燃え続けた最上階の部屋の様子が遠くから見てもわかりま
す。ホテルだけでなく、経済、とくに観光産業には大きな影響が残るようです。悲し
いことです。
都丸敬介(2008.12.8)