なんでもマルチメディア(478):通信制度の変化

電気通信サービスの新時代を迎えて、通信事業者の再編成や新制度の開始など、次々に大きなニュースが飛び交っています。来月(2006年10月24日)始まる携帯電話事業者間の電話番号継続制度(ナンバー・ポータビリティー)は、準備段階が終わって、激しい顧客獲得合戦に入りました。
 今月13日に、総務省の審議会が、家庭などの電力配線を利用して高速データ伝送を行うPLC (電力線通信)の実施を答申したことが報道されました。ただし、実現されるのは屋内電力配線の利用だけであり、屋外のアクセス・ネットワークでの利用は除外されています。
 ブロードバンド・ネットワーク社会を実現するためには、高速アクセス・ネットワークが不可欠です。これを実現する技術の本命は光ファイバー・ケーブルを使うFTTHですが、総務省の懇談会が13日にまとめた報告書では、NTTに対して、光ファイバー・アクセス回線を他の事業者に開放することを義務づけることが記されたようです。
この開放義務がNTTの投資計画に影響すると、採算性が悪い地域でのFTTHの普及が遅れて、地域情報格差がなかなか埋まらない可能性が大きくなります。高速無線アクセス・ネットワークによって、この地域格差がどのように解消できるのかということが、政策と技術の両面で重要です。
このこととの関係は不明確ですが、15日に電気通信事業者協会が総務省に認可を申請した、固定電話の全国一律サービスを維持するための過疎地の赤字補填制度が、今後どのように展開するのか、目が離せなくなりました。当面の赤字補填制度は固定電話を対象としているようですが、ブロードバンド・サービスも考慮しないと、地域格差が固定する恐れがあります。
都丸敬介(2006.09.17)

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「なんでもマルチメディア(478):通信制度の変化」への1件のフィードバック

  1. このPLCは色々問題があるまま見切り発車の感が強いです。
    問題点について簡単にまとめてみました。是非ご覧ください。
    PLCに対しての印象が変わるかもしれません。
    http://nonomura.iza.ne.jp/blog/
    まだ法改正の骨子が決まっただけで、実際まだ調整しなければならないことが多すぎます。医療機器への影響も懸念されていますので、厚生労働省がどう判断するかとか。とにかく推進派メーカーから出てくるお花畑記事に騙されないよう、色々情報を見極めることが必要ですね。

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