今日(2008年11月5日)米国の大統領選挙で、次の大統領に民主党のオバマ氏が当
選しました。この選挙について連日行われた報道の中で、オバマ陣営が行ったイン
ターネットの効果的な利用方法が目に付きました。動画配信サービスYouTubeを積極
的に使って情報を流し続けたことや、献金サイトで巨額の選挙資金を集めたことは、
歴史に残る新しい選挙活動手法の導入といえるでしょう。
この選挙を取り上げたテレビ番組の中で、オバマ陣営にはインターネットの活用方
法について、優秀なスタッフがいるのだろうという解説がありました。この解説を聞
いて1990年代のクリントン大統領時代の重要な政策の一つを思い出しました。
1996年10月に民主党のクリントン大統領とゴア副大統領が「NGI(次世代インター
ネット)イニシアティブ」という計画を発表しました。これは第2世代インターネッ
ト技術開発プロジェクトで、高速IPネットワークの構築と、これを利用するアプリ
ケーションの開発がおもなテーマでした。そして、政府主導のNGIと、多数の大学に
よるI2(インターネット2)という二つのプロジェクトが実施されました。
その後、ゴア氏は現大統領のブッシュ氏との大統領選挙で敗れましたが、NGIプロ
ジェクトを推進したことが、オバマ氏の勝利につながったように思えます。
都丸敬介(2008.11.5)