なんでもマルチメディア(491):柿

晩秋の果物の中で、毎年楽しんでいるものの一つに、会津見不知(みしらず)柿があります。アルコールで渋抜きした上品な甘さの渋柿で、歯触りが滑らかであり、日がたつと口の中でとろけるようになります。昔から会津地方で作られていたということですが、10年ほど前に知人から頂戴してとりこになってしまいました。知人の話では、どこの家のどの木の柿が美味しいという、フランスワインの名産地のような選択肢があるということです。9月頃予約をしておくと11月中旬に送られてきます。
 干し柿を多くの写真家が題材にしていますが、インターネットで調べると、あんぽ柿の名産地が全国の各地にあります。変わったあんぽ柿に、郡山市の菓子屋さんが作っている、季節限定商品にこの名の菓子があります。肉厚の干し柿のなかに、甘みを抑えた黄身餡を詰めたものです。10年以上前に、新幹線・郡山駅の改札口を出たところにある特産品の売店で見つけて気に入りましたが、その後は目に付かず、季節限定品だと知ったのはかなりたってからでした。今ではインターネットのオンラインショッピングで購入できます。
 インターネットで探せばいろいろなものが見つかる時代になりましたが、旅先で偶然に出会って気に入ったものをその産地から直接手に入れると、格別の思いが加わります。そのためには歩き回らなければなりません。これからも偶然の出会いがあることを期待しています。
都丸敬介(2006.12.17)